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ピアノ歴27年の私が語るピアノが上手くなる効果的な環境づくり

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3歳からピアノを習い始めたさきです。

私の歴史上一番長い習い事であり、今でも趣味や仕事でずっと弾き続けています。

なぜ私が今もピアノを好きでいて、そんな長い間続けてこられたのか、振り返ると沢山の理由があります。

今日は、そんな私の今までの経験を元に、ピアノを好きになるきっかけと環境作りについてお話ししたいと思います。

これからお子さんにピアノを習わせたいと思っている方は、是非参考にしていただけたらと思います。

    

幼い時はできる限り音楽を楽しむ

私の母は家でピアノ教室をやっていました。近所の子ども達が毎日家にやってきて、個人レッスンをしていました。そんな母がせっかく家にグランドピアノがあるんだし…と私にもピアノを始めさせました。

 

初めは家で母にピアノを習っていました。母にとって一人目の子どもだった私は、おそらく期待も大きく、母の指導は厳しめでした。練習しないと怒られるし、間違っても怒られるし、幼いながらもピアノの練習は私にとってやるべきことになっていました。

 

3歳になり、ヤマハの3歳児ランドというグループレッスンに通い始めました。親子で参加し、色んな音楽に合わせて体を動かしたり、テキストに載っている歌をたくさん習いました。また、一人一台ずつエレクトーンに触れることができ、様々な音でアンサンブルしたり、とても楽しい時間でした。

 

今でも当時習った歌は覚えていたりします。ヤマハの幼児教育しか経験していませんので、他の音楽教室での幼児教育の良し悪しは詳しく分かりませんが、ヤマハの教材は本当に質が高いと思います。子ども達が楽しめるような覚えやすいフレーズやコード進行が曲の中に取り入れられています。

 

先述したように、ピアノだけでなくエレクトーンを用いて音楽的な感性を学べることも大きなメリットです。今では2歳児から通うことができる講座もできているので、子どもができたら必ず通わせようと思っています。

 

3歳児ランドに通い始めた頃から、母は私にピアノを教えることに限界を感じたようで、個人レッスンもヤマハで習うようになりました。よく母が「子どもには怒って教えられないから…」とママ友に話していたのを覚えています。

 

その後もピアノの練習がやらなければならないことであることに変わりはなく、練習自体はあまり好きではありませんでした。間違った弾き方をしていると、キッチンにいる母から注意が飛んでくるし、母の顔色を伺いながら練習していた節もありました。

 

それでもなお、グループレッスンが本当に毎週楽しかったので、個人レッスンも頑張ろうと思っていました。グループレッスンの後には、教室の近くのデパートのフードコートでアイスクリームを買ってくれました。それも一つの楽しみでした。

 

音楽やピアノを好きになる環境を整える

よく、「お母さんがピアノの先生だからピアノが上手なのね。」と褒めてくれる人がいましたが、正直あまり関係ないと思います。私も3歳頃までしか母に習っていませんでしたし、逆に母がピアノに詳しいから母からもピアノのことで注意されて嫌な気分になることも多々ありました。

 

もちろん、家にピアノがあったことや、母がピアノに関心があったから習い事として通わせてもらえたというメリットはあります。グループレッスンと個人レッスンの両方だと月謝も安くないので、本当に感謝してます。

 

しかし、もし母がピアノの先生でなくても、ピアノに関心があり、応援し続けてくれていたら続けられたかなとも思います。なので、親がピアノや音楽に詳しくなくても、子どもを通して知識も得られますし、心配しなくて大丈夫です。

 

それよりも大切なのは、ピアノを好きになるための環境です。例えば、せっかくレッスンで弾ける曲が増えたのに、家に帰って聞いてくれる人がいなければ、子どもはどう思うでしょうか?新しくできるようになったことを誰かに見て欲しい、そんな気持ちで帰ってきているはずです。

 

小さな成長でも、それを見て受け止めてくれ、また褒めてくれる環境が子どもたちには欠かせません。子どもの練習に良いアドバイスをしてあげるより、新しくできるようになったことを褒めてあげることの方が何倍も大切なのです。

 

また、様々な生の音に触れさせてあげることも音楽に興味を持つきっかけになります。ピアノで色んな曲に挑戦していくと、『明るく軽快に』とか『歌うように』などの演奏に対する指示記号が出てきます。その時に、ピアノ以外の楽器や音のイメージが非常に役立ちます。

 

色んな表現ができるようになるとピアノを弾くのが楽しくなってきます。単純にオーケストラや声楽などの生演奏を聴くことで、音楽に対するイメージも変わり、より深く音楽を好きになるきっかけにもなり得ます。このような環境づくりは家庭での理解と協力があってこそです。

 

発表する機会を欠かさない

ピアノに限ったことではありませんが、発表の場を経験することは、子ども達にとってとても大切です。ただ毎日ピアノに触れ、レッスンに行くだけでなく、一つの本番に向けて暗譜したり演奏を工夫する中で、得られるものは非常にたくさんあります。

 

ホールを借りて発表会を開催してくださる先生はたくさんおられると思います。中には任意で参加の希望をとる先生もいらっしゃるでしょう。 ホールを借りる代金などもかかりますので、参加費はかかりますが、機会があれば積極的に参加してください。

 

まず、発表会では基本的に楽譜を見ないで演奏することになりますので、曲を覚えて楽譜なしで演奏できるよう努力します。必然的に何度も練習することになるので、発表会に出演することは一つの目標として非常に分かりやすいものになります。

 

また、どんな風に表現するとその曲らしさが出てくるか、強弱などの演奏記号を元に指導を受け、子どもでもその表現に近づけようと工夫します。普段から全ての曲に多くを求めすぎていたら指導が進まないので、発表会の曲には特別力をかけることが多いです。

 

一曲でもそうやってこだわって演奏した曲があると、その先に勉強する曲でも同じように工夫する力が身に付きます。発表会やコンクールを経て私も成長してきました。是非、積極的に発表の場を経験させてあげてください。

 

キーボードや電子ピアノだけでは上達しない

ピアノを習わせたくても、家にピアノがなかったり、ピアノを買いたくても置く場所や防音の問題などが解消できず設置できないということもあると思います。実際私も実家を出てからはマンション暮らしなので、比較的タッチがピアノに近い電子ピアノを持ってきています。

 

ピアノとキーボードや電子ピアノなどではタッチが全く違うので、ピアノを弾く機会が少ないと上達も遅くなってしまいます。よくあるのが、家では電子ピアノで練習しているので、レッスンでピアノを弾くとしっかり音が鳴らなかったり上手く弾けない、という現象です。

 

ピアノの方が鍵盤が重いので、普段軽い鍵盤の楽器で練習していると、ピアノの鍵盤が重く感じてしまうんですね。これは、やはり本物に触れないと根本的な解決にはなりません。楽器の仕組み自体が違いますから、タッチが違って当然なのです。

 

実家にピアノがある場合は実家、また練習室のレンタルピアノなどを利用して、ピアノを弾く機会を増やすのも一つの手段ですが、毎日の練習でそうするわけにもいきませんよね。そんな時は、なるべくピアノにタッチが近い電子ピアノを選択しましょう。

 

例えば、こちらのヤマハクラビノーバ(CLP575) 限りなくピアノのタッチに近い鍵盤を表現しています。ピアノ、電子ピアノの選び方についてはまた改めて書いていきますので参考にしてください。

 

グランドピアノに触れる機会は重要

更に、ピアノといってもグランドピアノとアップライトピアノでは音の響きもタッチも、音色もまた違います。楽器の大きさ自体が違うので、音の大きさも違いますし、鍵盤数もグランドピアノの方が多いのです。

 

実際ピアノの前に座ると、見える景色も違います。譜面台の位置も違うので、アップライトピアノばかりで練習していて、グランドピアノに急に変わると戸惑うこともあります。ホールなどで演奏する時はグランドピアノになりますので、本番前にグランドピアノでの練習は欠かせません

 

すぐにピアノを用意できなくても、年齢を重ねるごとに、少しずつ本物のピアノに触れる機会が増やせると上達も早くなります。楽器選びから環境作りまで、簡単に揃うものではないかもしれませんが、焦らずその時に用意できる環境を与えてあげてください。

 

電子ピアノで練習し始め、やがてアップライトピアノ、グランドピアノの音色やタッチの違いを経験し、更にピアノの魅力を深く感じるようになる。そんな中でピアノの奥深さや表現を学んでいくことができるので、初めから最高の楽器が準備できなくても大丈夫です。

 

音楽やピアノを好きにさせる過程とその環境作りについて、少しでも参考になれば幸いです。ピアノを通して自分を表現できる楽しさを、是非少しでも多くの子どもさんにも経験してもらえたらと思います。