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初産婦の私が妊娠から出産を通して伝えたいこと

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4月に息子を出産し、先週退院したばかりのさきです。

10ヶ月の間お腹の赤ちゃんと過ごし、ようやく産まれてきてくれました。

私は仕事も出産1ヶ月前まで通常通り続けてきたし、とっても健康でした。

それでも出産を終えるまで何があるか分からないという思いがあったので、今回初めてブログにします。

そんな私が妊娠・出産を通して全ての親に伝えたいと思ったことを書いていこうと思います。

     

親になるということ

私は3人兄弟の一番上で、5人家族でした。妹と弟とは喧嘩もよくしましたが、沢山遊んで賑やかで楽しい時間を過ごしてきました。母の家族仲良くという思いもあり、今でも東京にいる2人とは交流があります。ゴールデンウィークには大阪の私の家まで会いに来てくれる予定です。

 

兄弟のいる家庭環境が当たり前だった私にとって、子どもを持つことは必然のように感じていました。子どもがいれば賑やかだろうし、子育てしてみたい、という思いもありました。しかし、私にとって親になる一番の契機となったのは、子ども教育に携わってきたことです。

 

就園前の子どもたちへの音楽教育から高校生への大学受験対策まで、様々な年代の子どもたちと関わってきましたが、他人の子どもでこんなに可愛いのに自分の子どもだったらどんなに可愛いだろうと思うようになりました。日々の成長を間近でサポートできる教師という仕事に就いていたのも、そんな子供たちの成長や変化を見守るのが幸せだったからです。

 

もちろん子育ては一筋縄にはいきません。教師と生徒という立場でさえ教育の難しさを感じるのに、親子という更に親密な関係の中で何かを“教える”ということは簡単でないことは明白でした。そんなことも含めて子育ての面白さであり、楽しみだと思います。また、そう思うことが親子両方の幸せに繋がります。

 

産む前から分かっていたこと

「子どもが産まれたら絶対喧嘩しますよ」

「ベビーカーなどのグッズにお金がかかって大変ですよ」 

出産を間近に控えた私たち夫婦に、「とにかく大変」 ということを必死で訴えてくださる方々がたくさんいました。特に旦那の周りの子持ち家庭の男性は、必ずといっていい程「子どもが産まれると大変」ということをアピールしていました。

 

子育てにおける先輩からアドバイスをいただけるのはとてもありがたいことなのですが、こうも揃ってマイナスイメージの発言が続くことに違和感がありました。みなさん本当に苦労されてるんだなぁと感じました。

 

確かに出産後急に子ども中心の生活になり、睡眠時間や自分の時間が思い通りに取れなくなって、奥さんにストレスが溜まるのは理解できます。今まさに私も自分のペースで動きにくくなっています。でもそれって出産前から分かっていたことですよね

 

もちろん予め分かっていながらもこんなに大変だとは思わなかったという場面は沢山あると思います。しかし、出産後の家庭環境の変化は初めて出産する私にも大体予測できていました。予測するために調べたり話を聞いたり、子育てセミナーに参加したりもしました。なので、思い通りに時間を使えなくてもさほどストレスを感じたりはしません。

 

また、旦那にやってもらわないと困ることを出産前から事前に伝え、できるようにしてもらってきたので、実家に帰らずとも不自由なく生活できています。出産前から自分が陥りそうな危険予測を元に対策を立てておけば、ストレスで旦那にあたることもなく、また旦那が「本当に大変ですよ」と他人に漏らすこともないのではないでしょうか。

 

また、ベビー用品にお金がかかるのは事実ですが、急にベビー用品の物価が上がる訳ではありません。早目に相場を見ておくことでいつ頃いくらくらい必要になるか想定できるので、急な出費にはなりません。予測していないことや予測していない出費に大抵の人は“大変さ”を感じます。だったら予め予測して対策を立てておけばいいのです。

 

自分1人の力では出産までたどり着けない

私は妊娠中ほとんどつわりがなく、動けない期間や食べられない期間が全くありませんでした。 先述したように、仕事も臨月に入る頃まで続けてきました。それぞれの仕事を業務委託で受けていた私は、働かなければならない状況下ではなく、自分で休みも辞める時期も決められました。

 

出産は体力がいるとも聞いていたので、あまり動かずにいて運動不足になってもいけないと思ったのと、経過が順調だったこともあり、妊娠前と変わらず仕事を続けていました。あまりにも颯爽と動く姿に、妊娠7ヶ月になるまで妊娠に気付かれないほどでした。

 

一見、「本当に健康で良かった!」と片付けられてしまいそうですが、あんなに健康に妊婦の時期を過ごすことができたのは、家族を始め周囲の人たちの支えがあってこそだと痛感しています。私が働いていた職場では、妊婦は働いてはいけないという風潮もなく、気を使われすぎなかったことも私にとっては有り難かったです。

 

そして何より、旦那のサポートは絶大でした。妊娠中に風邪やインフルエンザの感染が心配される冬を迎えたので、極力冷えたり外に出たりしなくていいよう、洗濯は全てやってくれました。また、夕食を作る時間や体力を気遣って外食へ連れて行ってくれたり、荷物は常に持って歩いてくれて、臨月には一緒にウォーキング、新幹線はグリーン車をとってくれるなどの配慮には本当に感謝しています。

 

妊婦はお腹も重いし、食べ物にも体重の増減にも気を使わないといけないし、人ごみやささいなお腹の張りの変化にも気を配らないといけないし、本当に気苦労が絶えません。9ヶ月までは重いものを持たない、無理しない、同じ姿勢を続けない、などとても制限が多く、臨月に入った途端いっぱい歩いて陣痛へ繋げましょうと言われます。

 

私自身身をもって体験しましたが、産まれて欲しいと思ってすぐに出て来てくれるものでもありません。私の場合、臨月には毎日10キロ歩いていましたが、一向に産まれる気配がありませんでした。もちろん全員がそういう訳ではありませんが、周囲の「もう産まれそう?」というコメントさえプレッシャーに感じることもあります。

 

そんな日々を過ごしていると、まるで自分一人が頑張っていると錯覚したり、妊婦であることに疲れ果ててしまいそうになりますが、出産は決して一人で乗り越えられるものではありません。自分一人が頑張っているように見えて、実は色んな場面で気遣ってもらっているんです。そんな周囲の優しさを決して忘れてはいけません。

 

妊娠中はホルモンバランスの関係で気分が沈みやすい、というのは医学的にも実証されているようです。でも私は妊婦の感情の起伏はそれだけが原因ではないと思います。自分一人が頑張っていると思い込んで、周囲の優しさに気付けないでいる自分自身の問題でもあるのです。

 

10ヶ月って本当に長いです。その間誰の手も借りずに出産の日を迎えることはできません。少しくらいわがままを言ってもいいと思います。こんなにお腹の子に気を使っているんだから。それでも感謝の気持ちは忘れないで出産の日を迎えられた方が、赤ちゃんも絶対幸せです。そしてそれが母への第一歩だと私は思います。

 

さいごに

出産は本当に尊いものでした。命がけというと大げさに聞こえるかもしれませんが、本当に苦しかったり意識が飛びそうになったりします。(意外とその痛みはすぐ忘れますが…)長い間大切にお腹の中で育ててきた生命が無事誕生するってすごく不思議なことだと思います。

 

親になることにまつわる心構えや出費をしっかり理解し、認識した上で出産を迎えることが幸せな家庭の秘訣だと思います。『産後の妻は情緒不安定』という世間一般のレッテルに反するような母親でいたいと私は思っています。