さきの教室

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現役声楽家の私がボイトレの裏側を語ります

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 こんにちは、ボイストレーナーをしているさきです。

みなさんはボイトレって受けたことがありますか?

 

興味はあるけど…金額が高いから…歌手が歌を上手くなるためにやることじゃないの?

とまあ様々な声が聞こえてきそうですが、今日はボイストレーナーである私が、ボイトレについてお話していきたいと思います。

  

 

ボイストレーニングとは

ボイトレとは、一言で言うと声を良くするためのトレーニングです。一般的には歌唱力を上げるために受けるトレーニングだと捉えられがちですよね。しかし役者もアナウンサーもスクールに通って発声を勉強したりしますし、声を使う仕事は他にもたくさんあります。自分の発声をより良いものにするために工夫する人全てがこのボイストレーニングを活用できます。

 

例えば私の生徒さんの中には、歌手志望や役者志望の方だけでなく、車掌さんや集団授業をされる先生、会社でプレゼンをされることが多い営業職の方などがいらっしゃいます。声がすぐに枯れてしまう、通る声が出せるようになりたい、楽に声を出したい、など様々な悩みを抱えていらっしゃる方に個々に合ったアドバイスをさせていただいています。

 

発声練習とボイトレの違い

ここでは私の主観で記述しているところもあって、どこまでがトレーニングでどこからが発声練習かという線引きは主観によるものも大きいです。例えば、ボイストレーニングというカテゴリーの指導はしないで発声練習と称した実践的に歌う指導の中で声の出し方や体の使い方を指導される先生も沢山いらっしゃいます。

 

実際私が約10名の先生方から声楽のレッスンを受けてきた中で、声のメカニズムや体の使い方などボイストレーニングとして指導してくださった先生は一人だけでした。まだまだボイストレーニングというものをカテゴライズして指導される先生は多くないということです。どちらが良い悪いということではなくて、歌うばかりではなく、声を使う場面で楽に自分の持つ声がよりよくなる方法があるとしたら、身に付けたいと思いませんか?その方法を学ぶトレーニングがボイトレなのです。

 

ボイトレの相場と実態

私は今年の3月まで東京に住んでいたのですが、大阪から東京へ引っ越してすぐ、知り合いもほとんどいなかったのでミュージックスクールでボイトレ講師をしようと思って何社か面接に行きました。どこも是非すぐにでも来てください、とお返事をいただきましたが、金銭的なところが納得いかなくて結局全てお断りしました。

 

理由は2つあって、1つは生徒さんが払う費用が非常に高いというところです。

某大手スクールでは、他社と比べて最安値!みたいなことを掲げていましたが、それでも入会金13000円、1レッスン(60分)2900円〜+スタジオ代2700円、更にテキスト代等が個人レッスンの初期最低費用でした。月2回〜コースが選べる設定でしたが、本気で歌手を目指している訳ではない社会人の方の習い事としては、月24000円の出費は高すぎると感じる方も多いだろうと思いました。

 

更に、私たち講師に支払われる金額は60分1000円〜1500円。待機手当もなくレッスン前後の事務作業や生徒さんへの連絡などの仕事も含まれるとのことでした。私自身、自分が培ってきたボイトレの知識を生かして指導できること自体はとてもやりがいを感じるので、報酬額が全てだとは思いませんが、生徒さんの負担金額を考えるとほとんどスクールが搾取しているんだな、と思い、最終的に自宅サロンで生徒さんの負担金額を減らす形で教室を開講しました。

 

ボイトレの概要

声を出すにあたって、体が本体(歌でいうと楽器)なので姿勢やリラックスすることが非常に大切になってきます。姿勢は猫背にならず、また顎を突き出したり胸を反りすぎたりせず、かかとを上げて背伸びしてゆっくりかかとを下ろした時の体勢が一番自然な体勢だと言われています。

 

また、体が凝っていたり固すぎても声帯の周りの筋肉が上手く使えなくて、声帯を痛める原因にもなります。なので、私は初めに姿勢の改善と、声を出すために使う筋肉をほぐすところからスタートしています。それからどんな風になりたいか、どんな場面でどんな声を出したいか、どんな声の悩みがあるかによって発声や練習方法を提示しています。

 

よくメッセージを通して高い声を出すコツを教えてください、とかどんなトレーニングが有効ですか?と聞かれるのですが、一番大切な楽器作り(体作り)ができていない人に声の出し方のアドバイスをするほど意味のないことはないので、実際にレッスンを受けてもらうことを推奨しています。出し惜しみというより、更に状態が悪化したり指導に誤解のないようにするには面と向かってでないと伝わりづらいのが声の出し方です。声は一人一人違いますからね。

 

ボイトレの効果

ここまでで、ボイトレがどういうものかということは分かっていただけたでしょうか。みなさんお持ちの楽器をどう生かすかということですので、決して遠い話ではありません。

 

例えば、私はかつて声楽を勉強する中で発声に悩みがあり、なかなか思い通りの声が出せなかったのでボイトレを初めたのですが、結果歌声が安定しただけでなく、話し声が出しやすくなり、電話の声もとてもクリアになったと言われます。今でも進学塾で集団授業をしていますが、声が枯れなくなりました。何故そうなったかということはそれぞれ理由があるのですが、長くなるのでこちらでは割愛します。

 

歌を習いに来ている生徒さんは高音が出しやすくなったりロングブレスが得意に、話し声を改善したかった方は滑舌が良くなっています。またボイトレの観点から、日本語以外の言語を発音する際のコツをお話しに行くこともあります。

 

日常生活で声を出すときに密接に関わっている発声を改善するボイストレーニング、興味がある方は身近に機会があれば是非受けてみてくださいね。

 

さきのボイトレスクールへのお問い合わせはページ右下のお問い合わせフォームからどうぞ。